城下町松本。夫婦で始めたちいさな珈琲店がすべての物語の始まり。
1957年、戦後の慌ただしさが残る松本で、手間隙かけ完全抽出された一杯のコーヒーを淹れる店。その名は
「珈琲美学アベ」
コーヒーをより身近に、そんな店主の思いから日本の喫茶業界に初めてモカパフェー、モカクリームオーレというメニューを提案。
珈琲美学アベは松本の喫茶文化のパイオニアとして大きな役割を果たしています。
飽くなき美学の追求は続きます。
カフェインが蒸散するかぐわしい1杯のコーヒーは、疲れた体と心の鎮静剤である。だがそれだけではいけない。そこには孤独を包む位置がなければならなしアベックが大手を振るシートがなければならない。そしてそこには静かな音楽が流れ、光は心地よいルクスで調節されなければならない。現代人はムードに敏感だ。そんな時代の要請によって生まれたのが純喫茶でもあろうか。健全で、ロマンチックで、豪華で経済的で、そんなアンチテーゼがムードを醸し出すのである。だから喫茶店は顧客の最大公約数の文化性をその経営の柱としなければならないし、同時にまたその特殊性をセールプロモーションとしなければならない。経営は人なりというが、こと喫茶店の経営は人間生活模様のその中間調を具象化する者としての誇り高いダンディズムをも身につけなければならない。
〜1960年初代マスター安部茂樹手記より〜
“Black as a devil sweet as an angel”
悪魔のように黒く、恋のように甘いコーヒーのひと時!!